M&A LINE コラム

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M&A LINEコラム【第2回】
イギリスArmの売却でソフトバンクグループは上場廃止になる?

2020年9月13日、ソフトバンクグループは子会社Arm Limited(以下「Arm」)の全株式をアメリカの半導体メーカーNVIDIAに最大約4.2兆円と評価した取引で売却することとなりました。
Armはイギリスの半導体設計会社で、ソフトバンクグループは2016年3月に3兆3,000億円で買収しています。
ソフトバンクグループがArmを買収した目的はArmが設計する半導体にあります。
Armの半導体は主要のIotデバイスで高いシェアを誇っており、特にスマホ、タブレット、ウェアラブルの半導体に関しては2016年時点でシェアの90%を誇り、独占的な地位を築いていました。
今後Iotが大きく発展すると見込み、ソフトバンクグループはArmを買収したという背景があります。
しかしながら、Armの業績が伸び悩んでいたことやソフトバンク・ビジョン・ファンド(以下「ビジョンファンド」)でソフトバンクグループが損失を抱えていたことからArmの売却に至りました。
今回のArmの売却には、ソフトバンクグループを上場廃止にする狙いがあるのではという観測を呼んでいます。
実際に2020年9月14日にソフトバンクグループがMBOの検討を再開したとブルームバーグが報じました。
今回はソフトバンクグループの上場廃止について考察します。

ソフトバンクグループは以前より株価が割安であるといわれていました。
2020年8月時点ではソフトバンクグループが保有するアリババ、ソフトバンクなどの株式価値は27兆円ほどあり、約10兆円の有利子負債を差し引くと株主価値は約17兆円になります。
2020年10月5日現在の時価総額が約14兆円であることから、約20%も割安であるという計算になります。
このことにかねてからソフトバンクグループの孫会長は不満を持っており、株主総会の場でも度々言及していました。
このことから、割安に放置されているソフトバンクグループ株を孫会長などの経営陣が全て買い取り、上場廃止になるのでは?という観測を呼ぶようになりました。

しかしながら、ソフトバンクグループの上場廃止が実現する可能性はそう高くはありません。
なぜなら、MBO には約9兆円の資金を必要とする他、幹部陣の賛成も得る必要があるためです。
MBOを実現するには高いハードルがあるといえるでしょう。
とはいえ、ソフトバンクグループはビジョンファンドの損失で苦境に立たされており、今後も大きな動きがある可能性は高く、引き続き注視したいところです。

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