M&A LINE コラム

M&A LINE COLUMN

M&A LINEコラム【第6回】
ひらまつが創業者から訴訟提起される。その背景と今後への影響は?

株式会社ひらまつが、創業者で主要株主である平松博利氏から訴訟を提起されました。
平松氏は、16年3月に社長を退任し、会長に就任します。その際、5億円の創業者功労金が支払われています。同年、飲食店やホテル経営のコンサルタント会社「ひらまつ総合研究所(以下、ひらまつ総研)」を設立。ひらまつの社長を退いたものの、会長として、コンサルタントとして、引き続き影響力を持っていたものと思われます。

平松氏の社長退任後、ひらまつの業績は芳しくありませんでした。ホテル事業に積極投資するも売上が伸びません。一方で、利益は年々落ちていました。
その間、ひらまつ総研への業務委託費が極端に増加しています。
(17年3月期:1.7億円、18年3月期:2.5億円、19年3月期:4.1億円、20年3月期:7.5億円)

19年8月に、ひらまつ再建のため、アドバンテッジアドバイザーズ株式会社と事業提携し、関連のファンドを割当先として無担保転換社債型新株予約権付社債を発行します。

ひらまつの再建を聖域なく考えていくと、ひらまつ総研への業務委託費に目が留まるのは自然の成り行きです。
20年3月末をもって、ひらまつ総研とのコンサル・業務委託契約を解除し、5月には平松氏の後任だった陣内社長に代わり、外部から遠藤氏を社長に招聘しました。ひらまつとひらまつ総研の間の、利益相反の疑いもある不透明な取引を一掃しようと考えたものと思われます。

これに対して、ひらまつ総研側が訴訟を提起しました。あわせて、2018年12月に事業譲渡契約をした「レストランひらまつ高台寺」と「高台寺十牛庵」の事業譲渡契約を解除するとの通知もしたようです。
請求金額は、未払いの業務委託報酬などで12億円余り。ここには、ひらまつ株200万株の譲渡が約束されていたとする譲渡代金6.64億円も含まれています。

ひらまつ側は、「ひらまつ総研の請求に対してはいずれも認められるものではない」として、裁判と協議にあたるとしています。また、10月23日に外部調査委員会を設置しました。

この問題は、時間はかかるものの、法廷では解決に向かって進んでいくものと考えられます。しかし、ファンドが持つ新株予約権が行使されたとしても、依然として平松氏は10%近い株式を保有する大株主に違いありません。ひらまつが平松氏の影響力を早期にかつ完全に断ち切ることは難しく、法廷外でのトラブルが長引く可能性もあるでしょう。
ひとまずは、外部調査委員会の報告を待ちたいところです。

お問い合わせ