M&A LINE コラム

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M&A LINEコラム【第7回】
銀行の出資規制緩和について

金融庁が、金融審議会において「銀行規制の緩和」について議論しています。

その中心的な内容は「出資規制の緩和」です。
現在、銀行が一般事業会社に出資できるのは、議決権ベースで5%まで。銀行の持株会社が出資できるのは、同15%までと制限されています。地域活性化につながる企業や事業承継については特例が認められてきましたが、これをさらに緩和する方向で議論が進められています。

銀行の中でも特に地方銀行は、人口減少や金利の低下の影響を強く受けています。金融庁の資料によれば、地域銀行のコア業務純益(銀行本来業務による実質的な収益力を表す)は、過去15年間で約4割も減少しています。
地方銀行の収益力が低下したのは、銀行の業務に規制が多いためで、金利低下に対応するための事業転換が難しかったことが考えられます。
この影響もあり、直近のPBRは、東証一部全体が約1.1倍なのに対し、地域銀行は約0.3倍にとどまっています。

一方、地域社会も少子高齢化にともなう人口減少など、多くの課題を抱えています。そんな最中に生じたコロナ問題で、多くの企業がさらなる苦境に立たされました。国を挙げての緊急融資で、当面の資金繰りを支えていますが、コロナ問題が長期化すれば、融資にも限界が生じてくるかもしれません。

こういった、地方を中心とした銀行や中小企業の課題を解決するために議論されているのが、「出資規制の緩和」です。
銀行は、出資を通して、事業承継やM&Aの支援、銀行のリソースを使った業務支援など、融資以外での収益力を高めることができます。
中小企業は、銀行からの出資や業務支援を受けることで、返済する必要のない資金を元手に、中長期的な視点で事業再生や事業承継を進められるようになります。

金融審議会の銀行制度等ワーキング・グループでは、出資規制緩和以外にも、銀行グループによるフィンテック企業などの設立やシステム開発・広告等のビジネスについても議論されていますが、年内をめどに報告書にまとめる方向で進められています。報道によれば、現在のところはおおむね了承されているようですが、今後の議論の進展に注目です。

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